姉妹都市、釧路との交流を
姉妹都市、釧路との交流を
日本海新聞 読者の広場 私の散歩道(2020年11月1日掲載)
10月上旬に北海道の釧路市に出かけた。
釧路市立鳥取小学校の一本嶋仁志校長先生から校内の一室を使って「博物館」を設けたとのメールをいただいたのが、大きなきっかけとなった。
博物館では、今から136年前の明治17年と翌18年に鳥取から釧路へ105戸513人(合計)が開拓移住した歴史などを紹介しているという。
一本嶋校長先生とお話するなか、鳥取市賀露にある「釧路開拓移民団出港の地」の記念碑を写真に撮り、額に入れて寄贈しようと私は思い立った。
釧路市には、鳥取中学校も鳥取神社も鳥取大通もあるが、鳥取市内に釧路との関係を今に語るものはこの記念碑しか見あたらない。
博物館へのこの写真の寄贈は、翌朝の釧路新聞で紹介された。
麒麟獅子舞やしゃんしゃん傘踊りが釧路に伝承され踊られていることは、かねてより知っていた。
新たなご縁ができた釧路商業高等学校も訪問した。
今年の販売実習会で鳥取市の特産品を初めて仕入れて販売することにされた。
先生方と生徒さんの熱意と努力に感動した。
販売は好調だったとのことで、両地域間の物産販売の可能性を感じさせる貴重な取り組みとなった。
鳥取神社では、今年はコロナで実現しなかったが、県立鳥取東高の普通科2年生が研修旅行で神社と記念館を訪問していることを木下宮司からお伺いした。
学校行事で釧路に来て、歴史を学び見聞を広めている鳥取の高校生を知り感銘を受けた。
昭和38年に鳥取市と釧路市が姉妹都市となってから57年が経過した。
これからは、様々な交流事業を新たに加えることで、令和の時代にふさわしい意義深い両地域の関係が築けるのではと、この旅を通じて感じた。
(竹内功 記)